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第1話 双子の56し屋
「彩華!透華!大好きよ!」
そう言って、笑顔で強く僕たちを抱きしめてくれた母を僕たちは殺した。
僕の名前は透華、高校1年生だ。
そして、今任務に一緒に行っているのは、双子の兄の彩華。
僕たちは56し屋だ。
きっかけとかは、もう忘れちゃった。
任務って言うのは、人を殺す事だ。
上の人から次に殺る標的の写真や情報が載っている紙を貰い、殺すのだ。
ちなみに報酬はある。
今から、彩華と一緒に標的のアジトへ向かっている最中だ。
「旦那、さすがに人を殺したのはまずかったんじゃないんですかね」
「ああ゙?そんなん気にしてたら、世の中生きていけねぇよ」
汚らわしいゴミ共が固まって集まっている。
本当に吐き気がするほど、そいつらが醜くく見えた。
「行くぞ、透華」
「うん」
僕たちは2人で合図を送りながら、標的のアジトへ乗り込んだ。
ガチャ!
「あ?なんの音だ?」
「旦那、誰かが侵入してきたみたいです」
周りがザワついてうるさかった。
(人数は5人ぐらいってとこかな……)
「誰だ!姿を表わせ!」
と誰かが叫ぶ声が聞こえた。
「あ?なんだ、ただのガキじゃねぇか」
1人の男が僕たちに近づいてきた。
(見るからに弱そう……)
「おい、ガキ。ここはお前らのようなゴミが来るところじゃねぇんだよ!分かったら、殺されないうちに帰るんだな」
僕たちを殺る気満々な顔で言ってくる人……。
「旦那、ガキ共殺りますか?」
「アジトを知られたならしょうがない。殺れ」
「分かりました」
そう言って僕の目の前に刃物を突き刺してきた。
「お前らも運が悪いな。それじゃあ、あの世へ送らせてやるぜ!」
とそいつが何かを言って刃物で僕たちを殺そうとしてきた。
グサッ!
「な、なんだと……」
「おい、どうした?さっさと片付けてしまえ」
ドサッ!
刃物を振りかざしてきた男が目の前で血を流して倒れた。
「残念だけど、あの世へ行くのは、君たちの方だよ」
そう言って彩華は真っ先に飛び出し、次から次へと殺していった。
(彩華はやっぱり凄いな…)
「調子に乗るなよ!クソガキが!」
と彩華の背後から金属バットを持ち、彩華の後頭部目掛けてバットをふりおろそうとした。
「君の方こそ調子に乗るなよ」
ヒュンッ!
僕は、そいつの背後に周り、首を斬り落とした。
(彩華に傷をつけたりしたら大変だからね……)
「標的を殺したからって油断はダメだよ、彩華」
「そうだな。ありがとな、透華!くそ、今回は透華の手を汚さないつもりだったのにな……」
悔しそうに笑って言う彩華の心の奥は、僕が見る限り真っ暗だった。
もう一度言おう、僕たちは56し屋だ。
殺し屋になる為に僕らは自分の母親を殺した。
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