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元彼と再度絶交した私は、保留にしていた夕食の誘いに乗った。
先生と少しでも長く一緒にいたかったのもそうだが、相談したいことがあったからだ。
「あの、実は先生に相談したいことがありまして」
いや、違う。私が話したいのは、私服姿で仕事関係なしの素の彼だ。
「その……秋元さんにお願いがあるんです」
秋元颯太。彼の本名だ。名前を伝え合うほど仲が良くなったわけではなく、薬局で働く彼の首元に下げたネームプレートを見て一方的に知っただけ。
「お願い、とは?」
緊張した面持ちの私を気遣ってか、彼は柔和な笑顔で先を促してくれる。
そして私は、夢に現れる元彼のことを話した。
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