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突然、私の首に手が伸び、折れそうなくらいに絞め上げられた。
首元からミシッと鈍い音が響いた瞬間――
「ああぁ――――!!」
景色がガラリと変わり、いつもの天井が視界に入った。
気持ち悪い感覚が顔に広がり、手を当てるとべっとりとした汗がついていた。
そして、荒い自分の息遣いが耳に入ってきて、さっき見た映像は現実ではなく、ただの悪夢だと理解した。
もう夢だと分かっているのに、私は首に手を当てて無事を確かめずにはいられなかった。
心臓はドドドドと酷い音を立てて、うるさいくらいに脈打っている。
ふと首を右に振ると、薄暗く、ほんのり青い寝室の様子がいつもと違っていた。
いうならば、大きな地震でも来たかのようで酷く荒れていた。
何事かと思った時、反対側からすすり泣く声が飛び込んで来た。
「うっ……ぐずっ……」
その声に引き寄せられるように、今度は左側に首を振る。
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