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来ないで欲しい、って言ったのに……。
私は両親の言うことを聞き続けていたのに、両親は私の言う事なんて、最後まで何一つも聞いてくれなかった。
あんなに参列したがったのは、私に興味があるからじゃない。
きっと、ご祝儀が欲しかったから。だから参列人数まで聞いて来たんだ。
あーあ。
親ガチャで大外れを引いて最悪の人生を歩んできて、やっと幸せになれると思ったのに……
その矢先で、これ。
私ってなんて運が悪いんだろう。
私の人生って、なんだったの?
「あれぇ?まだ生きてんの」
黒髪の奴が慈悲も涙も無いような言葉を落としてくる。
「早く死んで」
三半規管までやられているのか、そんな声がエコーでもかかったかのように酷くぼやけて耳に届く。
すると、目を閉じる力も無くなった私に影が落ちたのが分かった。
それが何か確認する事も出来ない私は、次の瞬間、雷にでも打たれたような痛みが脳天を直撃して目の前の視界がふっと消えた。
気付けば、さっきまで感じていた痛みが嘘のように無くなっていて、辺りは明かりが一つもない暗闇になっていた。
その瞬間、何故か分かってしまった。
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