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私の人生が、
終わってしまった、と。
暗闇の中に一人たたずむ私は、全身の筋肉が抜け落ちたかのように膝から崩れ落ちた。
小さい頃から親に蹴られ殴られ、働ける年齢になると奴隷のように働かされ、稼いだお金は全部むしり取られて親の酒やギャンブルに消えて行った。
そんな親と、やっとのことで縁を切って、幸せを掴むところだったのに……。
いや、実際には完全には切れてなかったけど。
でも、こんな所で私の人生が終わりだなんて…………ほんと最悪。
私は……何のために生まれて来たんだろう。
親を養う為?
親の憂さ晴らしになる為?
心から幸せだと感じたことなんて、一度だって無かった。
これで終わりだなんて……これじゃまるで、私は苦しむために生まれてきたようじゃない!
悔しい……っ!
なんで?なんでいま私を殺したの?
通り魔か何か分からないけど、なんでこのタイミングだったのよ……。
酷いよ……。
どうせ殺すなら、もっと辛かった、あの頃にしてくれれば良かったのに……。
黒髪の奴が憎い。
もし、
もし生まれ変われることがあったら……
私の人生に勝手にピリオドを打った黒髪の奴に、復讐させて欲しい!!
そう、真っ暗な空に向かって何度も手を合わせ、何度も願った。
どれほどの時が経ったのか分からない。
そんな時、空から眩い光が差して――
「おぎゃあ、おぎゃあー」
私は赤ちゃんになってしまった。
「無事に産まれたぞ!ほら見ろ!元気な女の子だ!」
そんな喜びに満ちた男性の声が聞こえた。
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