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「そんなこと頼んでない。うぁ……助けてくれ、どうなっているんだ……」
腸内で何かが蠢いている。うっすら吐き気までする。
「ふふふ、苦しそうですね。動けなくなったら、あたしが手洗いに連れて行ってさしあげますよぉ」
ビクターは、恐怖した。初対面の相手にそんな醜態は晒せない。
鬼薔薇は、自力で手洗いに行こうとするビクターをぎちぎちと背後から抱いて、優しく腹を撫でる。
「……無理だ……やめてくれ、苦し……粗相してしまうから……」
「もう奥まで入れちゃいましたからねぇ。お可哀想ですけど、これからもっと辛くなりますよ。ほら、出口に力を入れて締めていてくださいよ。失敗したら、もう一度ですからね」
「いやだ……駄目だ。腹を押さないでくれ……鬼薔薇……」
羞恥と危機で顔を真っ赤にして鬼薔薇を見上げ懇願するビクターを、鬼薔薇は慈愛に満ちた表情で見守る。
「まぁ、なんて顔されるんですか。ああ、もう、本当に、愛らしい方ですね――」
涙目で縋ってくるビクターを愛しそうに撫で回したが、ついぞ、鬼薔薇はビクターの願いをかなえてやらなかった。
窮まった所で赤子のような体勢で手洗いに連れて行かれて、ビクターは矜持も尊厳も奪われた。
最近のビクターは常にこんな調子だ。
鬼薔薇はぐったりとしたビクターの窄みの縁をぬるぬると撫でまわし、陰茎を口に含む。主導権を奪われたビクターは、萎えたものをすぐに滾らせて、鬼薔薇を喜ばせた。
「だいぶ素直になりましたね」
鬼薔薇が触れれば、狙った通りにビクターは悦ぶ。快感から逃げようとしても、すぐに鬼薔薇の下に引きずり戻されていく。
鬼薔薇は指も太い。途中まで中に入りこむ指の本数を数えていたが、恐ろしくなって考えるのをやめた。
「さぁ、始めましょう」
鬼薔薇はビクターを仰向けにすると、揃えた指を紅くなった縁から奥に埋めていく。二本くらいなんてことはないと油断していたビクターに、新たな衝撃が走る。
鬼薔薇は慣れた手つきでビクターの体内を探り、何かを見つけ出して、にっこりと笑う。
「ロズル様、さ、全部、吐き出してしまいなさいな」
ある一点をぐっと押し込まれた衝撃で、陰茎が跳ねる。
「……がっ……なんだ、これ……」
ビクターを知り尽くしたような顔をして、膀胱の下の奥を目指して刺激を加える鬼薔薇は鼻歌交じりだ。
「やせ我慢はおやめなさい。ほら、もう出てしまうでしょう?」
「ここは、ダメだ、ああっ……やめ……ぐっ」
殴られるほどの快感で、達したのかどうかもわからないうちに吐精する。
勢いよく吹きあがった白濁が、地図を描くようにビクターの腹の上に溜まった。
鬼薔薇は、呆けているビクターの精液を拭き取りながら、自分のドレスの裾を引き上げた。卑猥な下着の中から出てきた重そうな肉塊に手をかけて、ゆるゆると扱き育てていく。
ビクターは鬼薔薇から生える、凶悪な大きさの陽物が天を向くのを見てしまった。快感の余韻が吹き飛ぶ。
「その大きさは……」
ビクターは息をのむ。大樹の幹のような陰茎と鬼薔薇の慈悲深い表情との対比で、異空間に放り出されたようだ。
「これで、ロズル様の憂いを和らげて差し上げますからね」
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