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「待ってくれ、鬼薔薇嬢、僕の中にそんな大きさの物が入るとはおもえないよ」
太い血管の走る鬼薔薇の陽根は、どう見ても娼婦にも断られるほどの太さと長さだ。陰嚢も重く垂れ下がり、雄としての格の差を感じる。
「ロズル様、往生際が悪いですよ。嫌なら暴れるか、止めろと命令すればいいのです。さあ、どうぞ。あたしの指がお腹に入りこんでいるからって、遠慮することはないのですよ」
はっきりと快感を捉えはじめたビクターは、鬼薔薇が何をしても快感で熱い息を吐くようになってしまっていた。暴れるどころか、腰の位置をずらして鬼薔薇が指を増やすのを待っている。
「いきなり入れるのが心配なら、張り型を入れて慣らしましょうか?」
ビクターは張り型を想像して、恐ろしくて首を振った。
「張り型は恐ろしいのに、これは欲しいのですね。いいですよ奪って差し上げましょう」
鬼薔薇は、ビクターをうつ伏せにすると、さらに時間をかけてビクターを解していく。納得いくまで解したのか、ついに蔦の絡まる大樹の幹の様な肉茎が、ビクターの処女地に触れる。
「くっ……」
「いいこですね。そのまま、そのまま――」
引き裂かれるほどの質量なのに、鬼薔薇は決してビクターを傷つけない。慎重に潤滑油を足しながら剛直を受け入れさていくのは、さすが玄人だ。
ビクターは想像を超えた質量の蹂躙に身を震わせ、枕に爪を立てながら荒い息を吐いた。
「う、動かないでくれ、苦しいんだ……」
「動かなければ何もできませんよ」
亀のように背を丸くして耐えるビクターを抱き起こすと、膝に乗せる。喘ぐビクターの膝を掴むと、壁にはめ込まれた大きな鏡に向けて開脚させていく。
「ほら、御覧なさい。あたしのものを健気に飲みこんでいますね」
「あ……あ……」
苦しいと言いながら、ビクターは誤魔化しきれない快感に己のモノを勃たせていた。
見たくないはずなのに、縁を目一杯広げられ、雄を屹立させながら雌にされている自分から目を逸らせない。腸壁がうずうずと鬼薔薇を締め付け、快感を伝える。
「気に入っていただけた様で何より。このまま一度達しましょうか」
「違う……違うんだ……僕はこちら側じゃないんだ」
「ええ、わかってますよ。でも、こうされるのは好きでしょう? ロズル様ならお分かりになるはず……」
「……え?」
体の奥の空虚を埋められながら、勃ち上がったものを扱かれて、大きな口で耳を食まれる。抗わなければならないはずなのに、快感に気力を根こそぎ奪われる。
「誰かに支配されるのは、甘美でございましょう? ほら、あたしがいいと言ったら、出すんですよ、ロズル様」
鬼薔薇がぎゅっとビクターの陰嚢を握りしめると、絞り出されたように、ビクターはだらりとだらりと射精した。鏡の中で目の合った自分は、達しながら安らかな顔をしていた。
ビクターはこの時から、鬼薔薇にすべてを預けてしまった。鬼薔薇に言われたように射精して、鬼薔薇が抜き差しを開始しても遮らずに快楽を享受する。
「ああ……このままでいい……このまま夜のままがいい――鬼薔薇、僕、家に帰りたくない……んだ……」
ビクターはぐちゃぐちゃにされながら、本音をこぼす。家に帰ればまた、不出来な跡継ぎとして針の筵のような生活が待っている。
「あら、まだ余計なことを考えていますね。じゃあ、もっと奥に入れましょうか? 少し苦しいですけど、いいですよね」
鬼薔薇はビクターを這いつくばらせると、頭を押して腰を上げさせる。
「もう、奥などないよ……」
「あらぁ、ロズル様は男も抱かれるのでしょ? その立派なものを、ここまで挿れてやらないのですか?」
鬼薔薇はぐりぐりと奥を刺激する。
「もう、行き止まりだと思う……」
「行き止まりの、その先があるんですよ」
「え……そんなの、ない、よ」
ビクターは口で抗っても、到底鬼薔薇から逃げられないことがわかってしまっていた。鬼薔薇は深く入り込んだ奥の奥を臍の上から撫でる。
「あるんですよ。ほら、狭いところを開いて、あたしを喜ばせてくださいな」
言うが早いか、鬼薔薇は殴りつけるほどの勢いで奥を突き始めた。ゴツゴツと奥の奥をこじ開けようとする。
「ぐあぁっ、む、無理だ……無理って、むりだって、いっているのに……」
「そんな気持ちよさそうな『ムリ』は聞けません。良くなかったら、後で殴ってもいいですから。あたしに無茶をさせてくれません?」
「ぐっ、んあっ……」
鬼薔薇に奥を突かれると、誰かを抱いているときとは全く違う感情があふれ出る。
「開き始めましたね……ああ、いいこ、いいこ。全部呑もうとして、健気――」
鬼薔薇は低い声でビクターを宥める。髪を撫で、頬を撫で、背を撫で、ビクターを油断させる。油断して体がゆるんだところで、ぐっと先端をめり込ませる。
「があぁぁぁぁ!!!」
ビクターから一際大きな悲鳴があがった。
入り込んではいけないところに食い込んだ鈴口が弁を抜け、奥に嵌りこむ。もう、自分の体がどうなっているのか、ビクター自身何もわからない。
「はっ、全部入ったじゃないですか。お上手ですよ……すごい」
ビクターは獣のように唸って、それでも腸壁を快感で戦慄かせて鬼薔薇を奥に誘う。誘われるまま、鬼薔薇は丁寧に奥を愛撫する。
「雄に種付けされて達するのはどうです? 最高に惨めでいいでしょう?」
鬼薔薇はぐっと息を詰めると、ビクターの奥を白濁で汚す。頭が吹き飛ぶほどの乱暴で優しい愛撫に、ビクターはまた、咆哮して全身を震わせて達した。
「あら、泣いていらっしゃるの? 高貴なお方を泣かせるなんて、私も罪深くなったものだわね。ほら、休んでいる場合じゃありませんよ。ロズル様、もう少しいたしましょうねぇ」
鬼薔薇は達したビクターの白濁を拭き取ると、抜き差しを再開する。
人を蹂躙しつづけてきたビクターは、快感と苦しみで蹂躙される喜びを知った。
「鬼薔薇……僕をロズルの名で呼ぶな……」
「承知いたしましたよ、お可愛らしいビクター様。もっとダメにしてさしあげましょうね」
饗宴はビクターの意識がなくなるまで続いた。
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