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卒業しただけでは生きていくことをできない私は、災害や魔物の襲来で大勢の負傷者が出た場合などに駆けつける救助部隊に登録した。
有事の際は、連絡が来て大勢のヒーラーと共に救出作業に入る。
派手な攻撃魔法や武器を使えればこんな生き方じゃなかったのに。そんな思いが燻ったまま、スキルアップする気にもなれない私は流されるままに、自分の出番だけを待つようになった。
そんなある日、多くの魔物が襲来した隣の町への救助を要請された。魔物討伐として、竜をも斬り裂く剣士・ガイ、爆炎の魔術師・サキたちなどいくつかの冒険者パーティーが既に撃退したらしいが、負傷者が大勢いるとのことだった。
私が駆けつけると町のあちこちに瓦礫があった。救助された多くの負傷者たちは集会所に集められていて、私も拙い回復魔法で治療にあたった。多くの人の傷を癒したけれど、もちろん誰も私の名を知ることはない。
ガイやサキたちの活躍は聞こえてくるのに。
また思う。
こんな私は何の役に立っているんだろうか。
「次の部隊が到着しました。C部隊は解散となります。明日、またお願いします」
負傷者は多くとてもとても全員を回復することはできない、交代時間となった。魔法力も無限ではない、眠って回復させなければだ。
人がぎゅうぎゅうに詰まった大型馬車に揺られながら、うつらうつらと現実と夢の間の意識で自分の町へと戻った。
疲れた身体は重くて、ただただ早く眠りたかった。
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