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夜の町を歩きながら、自分の住む寮へ歩いているときだった。
目の前を五歳ぐらいの女の子が走ってきた。夜道を危ないなぁと思っていたら、案の定、石畳につま先を引っかけた。
「危ない!」
と思ったときには遅く、女の子は派手に転んだ。大きな声でその子は泣きはじめた。私は駆け寄り膝をつく。
「大丈夫?」
声をかけながら怪我をしていないか見てみると、膝や肘を擦りむいてしまったらしく血が滲んでいた。
「大丈夫、これぐらい私の魔法で」
そう言って呪文を唱えてみたけれど、指先は何の光も示すことはなかった。
しまった。
今日一日で魔法力を使いすぎたんだ。この傷を治す魔法力が残っていない。
回復効果のあるおくすりも全部使ってしまっていた。
どうしよう、泣いているこの子をどうしよう?
こんな小さな子にも私は何もできないの?
そんなときだった。
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