五流小説家の夢

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 一流の小説家を夢見ながら、コンテストに応募するも鳴かず飛ばずの上に大ポカを繰り返す、自称『小説家』の私。    携帯にかかって来る電話といえば、母親からの「独り暮らし、ちゃんと生活できている?素敵な女性とは出会ったりしないの?」と、お決まりの内容だけだ。  そんな私の携帯に見知らぬ番号からの着信。  某戦国武将ゆかりの市の『生誕500年記念祭』企画係の担当者からだ。  その企画の一環の、武将を題材とした小説のコンテストにおいて、半年前に応募した私の作品が大賞に選ばれたというのだ。  ―――何という事だ。  実際、昔からその武将の事がお気に入りで、それなりに詳しくもあった。  そしてその武将が活躍する小説を、最初から最後まで楽しんで執筆出来た。  満足のいく仕上がりだった。  例え受賞しなくても、自分のライフワークであるWeb小説サイトへ投稿しようと決めていた。  それが、大賞。  大賞は賞金10万円と地域特産品の詰め合わせ。  2ヶ月後に市役所で授賞式があるので出席して欲しいというのだ。  ―――何という事だ!
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