五流小説家の夢

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 何が問題かというと、私は授賞式に着ていけるような服など持ち合わせていない。 「そうだ、スーツを買いに行こう!」  私は紳士服専門店へ向かった。 「お客様のサイズですと、こちらになりますね」  有名ブランドのスーツをまず勧められ、値札を見て躊躇する。  今回しか着ないかもしれない。  いや、これからバンバン受賞して頻繁に着る機会があるかもしれない。  そうなると安物のスーツを着るのもいかがなものかと。  まぁ、賞金が入るのだ。  少し張り込んでも良いだろう。 「試着させて下さい」  勧められた有名ブランドの上下を手に、試着室へ入る。  ―――何という事だ!  有名ブランドのスーツを着た私は、合成写真を失敗したかのように似合っていない!違和感しかない!
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