五流小説家の夢

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 時間があればパソコンに向かい、執筆する日々。  運動などここ十年以上まともにしてはいない。 「そうだ、ジムに行こう!」  自分ひとりで運動なんて3日も続かないという事はわかっている。  しかも、猶予はたった2ヶ月。  効率良く、無理して身体を痛めることなく痩せるためにはプロにお願いするのが一番だろう。  私は何も買わずに紳士服専門店を出て、駅前にあるスポーツジムへ向かった。  入会金を払い、短期集中コースを申し込む。 「今日から始めることが出来ますよ」  受付の女性が入会特典だと言ってそのスポーツジムのロゴがデカデカと入ったタオルとTシャツ、ハーフパンツをくれた。  靴は有料でレンタル出来るらしい。  私は自分の顔が丸かった事に酷くショックを受けていたので「是非お願いします」とインストラクターさん指導のもと、ジムのメニューをこなした。  ―――何という事だ!  次の日目覚めると、私の全身の筋肉が悲鳴を上げ、起き上がるだけにも時間を要した。
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