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「うわぁ!ここはどこだ?」
気付いたら知らない場所にいた。
ガチャという音と共に玄関ドアが開くと、慣れた様子で部屋の中に入ってきた白衣の男は戸棚を開け、中を漁りだした。
「誰ですか?」
怖々問いかけると、男はチラリと視線を向け溜息を吐いた。
「面倒だな。どうせ、すぐ忘れるんだけどな」
男は戸棚の中から瓶を鞄に詰める手を止めずに、
「お前は記憶障害だ。一定の時間が過ぎると記憶が消える。仮想通貨で大儲けしたお前は妬まれ、鉄パイプで後頭部を殴打され記憶障害になった。私はお前から金を巻き上げている」
男は出て行った。
これはマズい。
俺は騙されている。
何とか未来の俺に知らせなくては!
何かメモを残すべきだ。
ペンはどこにあっ
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