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 薬は失敗だった。  否、羽が回復したことを思えば、成功はしたといえる。  しかし23MBの本来の姿の発現を促進したその先、本体とヒューマノイドの解離は結局のところ外科手術をするしかないようだ。  強引な融合を再び強引に切り裂く。  敵方の戦力を削ぐ目的ならばそれもありかもしれない。しかしそれならばそもそもこんな薬などいらない。これは生を守る為の薬なのに。  兵器なんてものに人道が入り込む余地はない。被験体23MBの見せた結果は、こんな研究にはまるで意味がない、というものだった。  五日目、うつろな丸でしかない目を震わせて23MBは泣いた。 「帰りたいです」 「どこへだい?」 「博士が決めてください」 「なら、ここにいなさい」 「いいえ。博士も行きましょう」 「私は行かないよ」 「どうして」  そう、キシキシと泣いた。  
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