一章 波乱の舞踏会

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 ※※※  ゴーン、ゴーン。  遠くから時計塔の鐘の音が鳴り響き、時刻を告げる。ちょうど夜の七時を回ったところだ。  此処はロストカ城にある大広間。とても豪華で立派な造りをしていた。  まず二階の天井まで吹き抜けの構造であり、シャンデリアが光を放ちながら、部屋中を照らしていた。  また入り口から真正面にある壁には、上の階に続く巨大な大階段が掛けられている。その周りにも数々の調度品が飾られていた。まるで全てが磨いた様に煌めており、人々の目を引く。  さらに、彼方此方には白いクロスのかかったテーブルがあり、世界各国の様々な料理や、赤い薔薇を活けた陶磁器が並んでいる。因みに立食の形式だった。  そんな大広間では今宵、皇太子殿下の婚約を祝う舞踏会が催されていた。  周りの彼方此方で、招待客の貴族達が犇めあっており、各自が思い思いのまま、楽しそうに過ごしていた。  タキシード姿の貴族の男達は、自慢話に華を咲かせている。  派手なドレス姿の貴婦人達は、服装や流行の装飾品を褒め称えている。  その一部の者達の中には、出迎えに配られた美酒やテーブルに並べられた料理を満喫したり、部屋中に飾られた調度品を品定めしては、感嘆の声を漏らしているのであった。
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