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~プロローグ
獲物が身を捩るたび、心地よい手応えが手のひらを伝う。呻き声に共鳴したように首筋はドクドクと脈を打ち、手袋越しでもその感触を味わえるほどだ。
よほど苦しいのだろう、ガラスに拳を叩きつけ、写る顔は恐怖と苦悶で歪んでいる。窓ガラスは苦痛を代弁するよう、ギシギシと悲鳴をあげた。
「広海、君がいけないんだよ」
膨らみ始めたばかりの腹に目を遣り、両の手を重ねて力いっぱい締め上げた。
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