第12話「まどろみ」

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このパーティーの主催者である…「デルガド・シモンズ」はとある企業のCEOで1930年代に開発された「ペースメーカー」の生みの親である「アルバート・ハイマン」の遠縁の親戚にあたる人物である。…彼はフィッキングエアの他に…リチウム電池の性能を上げる為の臨床実験に関わっているとされており…いくつかの事業を幅広く手掛けていた。 そして…このフィッキングエアはこのパーティーの「顔」であり…シモンズの最高傑作と言っても過言ではない発明である。 ただ一見聞こえの良さそうな話に聞こえる「フィッキングエア」だが…その真実は「人身売買」を「生業」とした…非合法なシステムであり…「ブラックマーケット」に近いモノである。 要約すると…彼らは自国の医療の発展の為と銘打って…他国より「少年」「少女」を非合法に買い取って…彼らの心臓や肝臓…骨の1つに至るまでを全て管理して売り捌こうとしている訳である。 またこれらの事業を監督し…代行しているのが「NSA」と言われる「人身売買組織」で「シモンズ」を影から支えるキーマンである。リゼはそんなことが書かれた「調査報告書」を思い出しながら…ワインを口に含んで…深い溜息をつく。 リゼ「はぁ…全くこんな呆れた事を本気でやろうだなんて考えている人が居るなんて私は驚きだよ」
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