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「係長、お尋ねしたいんですけど」
「な、なんだ満島」
わたしの方から係長に話しかけたのは、もしかしたら初めてかも。なんだか楽しくなってきて自分でも驚く。
「例の発注書ですけど、ファイルの更新日付が変わっていたのは、どうしてですかね」
係長の顔色が青ざめる。これは何が裏があるのだ。
「なんだ、今更難癖つけるつもりか。くだらん言い訳をしていないで始末書を持って来い」
「お言葉ですけど、これは重要なことですよ。発注先にどういうファイルを提出したのか。係長がメールを出されたのだから、おわかりですよね。ちなみに、わたしは自分が作成した資料はバックアップを取るようにしてるんですよね」
わたしが詰め寄ると、彼の顔色に焦りが見えてくる。考えていることが手に取るようにわかる。もう、負ける気がしない。彼の悪事を暴くことを楽しんでしまっているわたしは、おかしいだろうか。
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