神が与えし願い薬

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「もう駄目だ」  学校での1日が終わり、机に座ってノートに書かれた文字達と対面する。黒板相手でにらめっこするよりは気が楽だが、夏の暑さも相まって一度ペンを止めてしまえばやる気は下がっていく一方だった。 「薬使えるのかな?」  突然とやってくる薬欲望。  神様が与えたくれたものを使わないのは申し訳ない感情もあるが、半分薬の効果というのを疑っているところもある。 「副作用なんて嘘なんじゃないか?」  どんな願いをしても、好きな人を嫌いになってしまう副作用なんてあるはずがないだろ。何故そんな効果になっているのか理解に苦しむ。 「そもそも好きな人がいないなら、ないも同然だろ」  こうして、俺は万能薬の効果というのを試してみることにした。  効果は半日だと薬祖神言った。それならば、朝飲んでから学校に行けば下校まで効果は持続するということになる。 『テストが解けるようになりたい』  口で言うのは簡単だ。だが、勉強して頭に入れなければテストなんて解けやしない。  万能薬?本当にそれが可能だというのか?
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