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カルテ5 心の叫び
1週間たった閉院後に菜美は勇気を持って、瑠璃子に診察を依頼した。
瑠璃子はあっさりとOKしカウンセリングの流れになった。
名前:白川奈美(しらかわなみ)
年齢(行年):17歳
相談内容:友達がいない。人が怖い
「みての通りわたしはぼっちすぎて、死にたいです」
「友達ってなんだと思う?」
「一緒に笑ったり、喧嘩したり、遊んだりいろんな思い出つくったり」
「ならもう解決じゃない?」
菜美はなんの事やらわからず、首を傾げた。
「梅ガム持って3駅走って追いかけるわ、ひねくれた婆さんにツッコむは、奥さん無くした患者さんの心に寄り添うわ、、変態どもをだまらせるわ」
「普通にカフェいったり、恋愛相談したりそんな事がしたいんですよ。それにあれは、薬師病院あっての事です。わたしの力なんてなんにもないです」
「わかった、お薬と診断書を書く。明日は学校に行くのよ」
「学校かぁ、、」
「行けばわかるわよ」
瑠璃子は冷たく言い放った。
翌朝菜美は重たい腰をあげ、なんとかクラスの前にたどりついた。
「瑠璃子さんはむちゃくちゃだけど、間違った診断はしない」と
瑠璃子に貰った薬紙袋をあけた。
中には目薬が入っていた。
診断書には【モブ症候群】と書かれていた。
菜美はクラスに入る前に目薬をさした。
数週間ぶりのドアを開くといつものようにクラスメートは菜美をチラ見して、すぐにそれぞれの会話や態度になっている。
菜美は違和感を覚えた。
昨日まで暗くぼやけた同級生がはっきりと視覚されてるからだ。
カースト制度上位の可愛い女の子や男の子達の顔がはっきり見える。
偏差値の高い子達のグループの会話も意味がわかる。
窓際で1人寝ているショートカットのやさぐれた女の子にも声をかけたい。
外で走ってる運動系のみんなにも混りたい。
菜美は薬師病院の、変態だけど一生懸命に生き抜いてる素敵な患者とのやりとを思い出す。
菜美は抑えられない衝動にかられ教壇に立った。
「お前らよく聞けーーーー!」
クラスはざわつき菜美を注目した。
「わたしは、むかしからいじめられたり無視されたりしてきた。
だからだから、、
今日からみんな仲良くーー!」
菜美は瑠璃子の目薬を握りしめ叫んだ。
目薬か涙がわからないものが菜美から溢れ出た。
少しの沈黙の後、茶髪でクラスでしきる学年一位のカリスマ女子が菜美に近づく。
「あはは菜美って面白いね、最近商店街の変な店に変なjkがいるってsnsで話題になってたよ」
静寂だったクラスがクスクスと笑い始めた。
学級委員の女子が
「白川さんその猫はなんなの」
「これは猫だけどイヌ」
再びクラスを静寂化させたが、トンチンカンな菜美の言動にクラスメートが囲んでいた。
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