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カルテ2 癌レベル4
「昨日心配したのよ、純一追っかけて帰ってこないんだもん、イヌと共に」瑠璃子はグラスに氷を入れた。イヌを抱えながら。
「なんで、店前でウーロンハイつくってるんですか、、せめて中で飲んでくださいよ。あとイヌ抱えてマダム風やめてください。猫不細工だし、ウーロンハイだし、商店街だし」
「純一なんかいいのよ、どーせすぐ来るんだから」
「大変だったんですよ。佐渡さん泣きながら3駅も走るんですよ。最後パトカーまで来て、わたしも事情聴取されて。佐渡さんのストーカー扱いにされ」
「貴女も貴女で凄いけどね、、」
「でも梅ガムと診断書渡して、お金も頂けました」
菜美はにっこり笑って一万円札を瑠璃子に両手で差し出した。
瑠璃子は優しく微笑みイヌを撫でると
「さっ!今日も開院よ」と扉を開けた。
いの1番で飛び込んで来たのは杖をつき腰の曲がった老婆であった。
「やい!薬師寺。今日と言う今日は治療してもらうぞ」
老婆は杖を振り回す。
「薬師寺でなく、薬師よ。寺でなく病院ようちは」
「いや、占いの館です。店名は病院ですが」と三すくみのややこしいやり取りをしていると、、
「さぁ診断して、治療しろ」
老婆は着物を脱ぎ床に横たわった。
「お客さま、とりあえず何か身につけてください。風邪ひきますし」
瑠璃子は裸の老婆のお腹にイヌを置いた。
老婆は微笑み顔で猫を撫で回した。
3人と1匹の安らかな木漏れ日の夕方がゆっくり進んだ。ひぐらしが鳴く頃に、、、
「暖かいでしょ」と瑠璃子は微笑む。
「あぁありがとなぁ。っておい!あと風邪などどうでも良い!わしは末期癌じゃ」
菜美はおそるおそる瑠璃子を見た。瑠璃子はゆっくりうなづく。
菜美は老婆に服を着せて、椅子に座らせる。
「とりあえず、問診票をつくりますから記載お願いします」
名前:夏川虹晴(なつかわにじは)
年齢(行年):89歳
相談内容:癌治療
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