夢使いの仕事

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「どう? ピンとくるのはあった?」 「そうねぇ。どれもいい香りなんだけど、一本目は落ち着きがありすぎる、二本目は静かすぎる、三本目は綺麗すぎるって思ったかな。この中から好きなのを選んでって言われると悩んじゃうかも」 「うーん……その三本じゃないみたいだね」  悩みながらもう一度並べた瓶に目を向ける。不思議なことに青いイメージの瓶を選べばいいことはメイムも直感していた。似たような系統で、落ち着きすぎず、静かすぎず、綺麗すぎないものはないか。一つ一つ吟味して瓶を見比べていると、一つだけ淡く光って見える瓶があった。手に取ってみると気分が晴れやかになるような青空の景色が見えた。 「お母さん、これはどう?」 「どれどれ?」  青空の瓶のふたを取り、中を嗅ぐ。するとアオの首元にいたリトルメアが困ったような声を上げた。一方のアオは目をキラキラとさせ、晴れやかな笑みを浮かべる。どうやらこのアロマで正解だったようだ。 「これ、なんかすごく好き。甘いんだけど酸っぱい感じの爽やかな香りがあって、いい夢が見られそうな気がする」 「じゃあそれで! 今度こそいい夢が見れるといいね」  寝る時間になり、パジャマに着替えてベッドの中へ。バディフに水を入れてスイッチを入れると、水だけのはずなのに甘くて爽やかな香りが部屋に広がった。アオが使ったアロマがアロマストーンを通じてバディフに届いたらしい。 「おやすみ、バディフ。夢の中で会おうね」 「おやすみ。初仕事、上手くいきますように……」
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