夢使いの仕事

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 キキキ……。  バディフが嬉しそうに話していると、スポンジをこすり合わせたような嫌な声が聞こえてきた。よく見れば雲に隠れるようにして黒いコウモリの群れがいる。リトルメアだ。全員手にじょうろを持っており、雲から下へ雨を降らせていた。 「あの雨はリトルメアが降らせてたんだね。今まで見えなかったけど、アオが明るい夢を想像したから隠れられなくなったんだ。これでもう夢から追い払えるよ」 「本当? どうすればいいの?」 「ボクの言った通りにして。さあ、仕上げに取りかかろう」  アオは嬉しそうに宝石の花を摘んでは袋に詰めている。もう不安や怒りにとらわれることもないだろう。バディフは鼻からミストを放ち、雲の上に白い橋を架けた。バディフに手招きされ、メイムは橋を駆け上がる。  リトルメア達は雲の至る所にいた。橋の上からだと様子がよく見える。リトルメア達はメイムに警戒して黒い槍をかかげ、キキキと口々に鳴いた。 「リトルメアがこんなに沢山……。一匹一匹追い払ってたらきりがないよ」 「大丈夫。メイムは強く思い浮かべて。この夢がどんな風になってほしいか。誰かを想う優しさと、自由な心で。そして心に浮かんだ言葉を唱えるんだ。大丈夫、夢使いになったメイムなら出来るよ!」 「誰かを思う優しさと、自由な心……。わかった。やってみる!」
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