夢使いの仕事

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「昨日はすごく堂々としてたのに。違う子みたい」 「メイムの夢は、綺麗だから居心地よかったの。でも悪夢はすごく怖い……。アオにとりついたリトルメアも、ボクが追い払えればよかったけど、ボクってダメダメだから……」 「もしかして、昨日のお母さんの夢にも案内役として出てたの?」 「ううん。夢には行ったけど、リトルメアが怖くてずっと隠れてた……。ごめんね、メイムの期待に応えられなくて……」 「ほっほっほ。バディフは怖がりだけど、とても才能にあふれたバクよ。本当の力さえ出せればどんなに手強いリトルメアだって追い払えるわ。自信を持って」 「そうは言っても、ボクって半人前だから……」  バディフは申し訳なさそうに頭をたれる。 「もしかして夢使いの仕事って、バディフと一緒にやるの?」 「うん。ボクの力で夢使いを他の人の夢に呼び寄せるんだ。ちょっと見せてあげる」  バディフはテーブルに降りると、鼻からシャボン玉を膨らませた。透明な玉の中に白いミストを吹き込むと、バディフと同じくらいの大きさの丸い石が出来上がった。 「入りたい夢主にこのアロマストーンで夢アロマを使ってもらうの。そうするとボクは夢使いを連れてその夢に入れるんだ」 「すごい! そうやって悪夢の中にいるリトルメアをやっつけるんだね」 「やっつけるんじゃなくて追い払うだけ。リトルメアも妖精だもん。優しくしないと」  アタエは近くの化粧台からペンダントを取り出すと、メイムの前に置いた。 「実際にどうやるかは夢の中で教えましょうか。これをメイムちゃんに渡しておくわ。眠る時、バディフの傍に置いておいて」 「これは?」 「アロマペンダント。ペンダントトップが瓶になっていて、私の好きなオレンジの精油が入っているわ。きっと役に立つはず」 「わかった。頑張ります! お母さんがぐっすり眠れるように」  メイムは両手を握って気合いを入れる。その横で不安そうに鼻をなでるバディフの背中を、アタエがトンと押してやった。
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