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浮羽くんが出て行ったあと。
私は、──────こっそり〝夏祭り〟に来た。
もちろん、浮羽くんが、
家の近くにいないのを確認してからだけど。
「............っ、絶対にバレないようにしなきゃ、」
浮羽くんに見つかったらヤバいから。
(でもっ、とりあえず〝わたあめ〟だよねっ!)
子供のころ、浮羽くんと、
一緒に食べて以来、〝わたあめ〟が大好きな私。
〝わたあめ〟の売ってる場所を、
キョロキョロ探して歩いていていると。
「うーわっ、めっちゃ可愛いじゃん!」
「やべっ、当たりじゃね〜?」
そんな声が聞こえて来た............
「「ね!キミ1人?」」
そして、なぜかハモるように言われたと同時。
──────ギュッと、握られた手。
2人の男の子が、
私の右手と、左手を片方ずつ握ってる状況。
〝初めまして〟の人なのに、
どうして握って来るんだろう?
「ぅ、えっと、1人、です、」
疑問を抱きながらも、
そう素直に言ったところで。
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