Prologue

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Prologue

 人生には、その後を決める分岐点がいくつも存在する。  生まれたときは一つの点でも、分岐点が訪れるたびに未来は枝分かれしていき、それはいずれ壮大な樹形図を形成するのだ。  そして選んで、選んで、選び抜いて、最後死ぬときには何億何兆と枝分かれして、起こりうるはずだった未来の中から一つの答えに収束する。   なんてロマンティックで壮大で、それでいて儚いのだろう。  自分の今までの選択は、間違いを選び続けてここまで来たのだと思う。  もはやその答えたどりつくのは必然だったのかもしれない。  正解を渡されていながら、望む行先にたどり着けず、後悔だけが残っている。   いっそ正解なんて求めずに、ただただ君との時間をかみしめれば良かった。  君と過ごした日々は確かにそこにあった。  2人だけが知っている。  思い出せば、数え切れぬ後悔とかけがえのない君の優しさが降りかかる。  もし君が正解を渡されていたら、どのような選択をして、どこにたどり着いたのだろうか。  いや、本当は知っている。  君は何があっても何回でもこの答えにたどり着くだろう。  だってそれは君にとっても必然だったはずだから。  そんな君に思いを馳せながら、今も私は選んでいる。
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