変な者

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変な者

 いつものようにアコと一緒に帰る。昇降口で靴を履き替えて校舎を出ようとしたときだった。 「……ねえ、ミチル。あんた最近ちょっと変じゃない?」 「え、変って何が?」  アコが何を言おうとしているのか、私にはわからなかった。 「何ていうか……、とりあえず変よ……」 「だから、何が!?」  私は思わず大声で怒鳴ってしまった。  アコはびっくりした顔をしている。多分これから下校中の人たちも、立ち止まってこっちを見てる。居心地が悪い。  いけない。ずっとこんな風に怒ることなかったのに、何でだろう? 「ご、ごめん……」 「ううん、私こそ急にごめん……」  それから沈黙が続く。  嫌だな、これ。この沈黙。 「わ、私お母さんから買い物頼まれてたの思い出した。今日は先帰るね……」  それじゃ、と私の返事も待たずにそのままさーっと、走って校門を出ていくアコ。 「私も帰ろ……」  帰ったら薬飲まなくちゃ。
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