5人が本棚に入れています
本棚に追加
変な者
いつものようにアコと一緒に帰る。昇降口で靴を履き替えて校舎を出ようとしたときだった。
「……ねえ、ミチル。あんた最近ちょっと変じゃない?」
「え、変って何が?」
アコが何を言おうとしているのか、私にはわからなかった。
「何ていうか……、とりあえず変よ……」
「だから、何が!?」
私は思わず大声で怒鳴ってしまった。
アコはびっくりした顔をしている。多分これから下校中の人たちも、立ち止まってこっちを見てる。居心地が悪い。
いけない。ずっとこんな風に怒ることなかったのに、何でだろう?
「ご、ごめん……」
「ううん、私こそ急にごめん……」
それから沈黙が続く。
嫌だな、これ。この沈黙。
「わ、私お母さんから買い物頼まれてたの思い出した。今日は先帰るね……」
それじゃ、と私の返事も待たずにそのままさーっと、走って校門を出ていくアコ。
「私も帰ろ……」
帰ったら薬飲まなくちゃ。
最初のコメントを投稿しよう!