3人が本棚に入れています
本棚に追加
案内が終わり、自分の教室の前まで来た時。
何やら、人探しの質問の様な会話が聞こえる。
「なぁ」
脈絡も無く僕は声を掛けられた。
「指を反対まで曲げられるって、お前?」
先程の会話を耳にするに、初対面也の記憶から、僕が見つかるだろうと予感はしていた。
「…」
僕は小さく首を横に振った。
曲がると言っても、手の甲に付く訳でも無い。
只、他人より多少、手が柔らかいと云うだけで、他人に見せるには躊躇が在った。
と云うのは、言い訳だ。
今迄から察せるように、僕は人見知りに分類されるので在ろう。
肉親や、一度交流を深めた友人としか、腹を割って話す事が出来ない。
だが、この学校で、恥ずかしがって要るという事も恥じて、親に伝えると云う選択肢は無かった。
最初のコメントを投稿しよう!