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序章
第二志望に合格した。
其れも、最も難しい試験日程で受かった。
正直に言って、楽勝だった。
僕は、特別に勉強が好きな訳では無い。
只、学習塾に通っていたと云うだけの事だ。
其れも、塾では、良いクラスの最後尾。
教育熱心な母親が、頼み込んだお陰で居座れていたらしい。
思えば、幼い頃の僕が、四つ上の秀才の兄に憧れて、
「一緒の学校に行く!」
と、母に言い出したのが始まりだった。
兄の中学校は、大学附属の有数の難関校。
小学校と同様に、一緒に登校するイメージをしていた僕には、その兄が、如何に苦労して塾に通っていたのかが、分かっていなかったのだ。
ともあれ、二校の志望校に受かった僕は、新しい校舎、小学校時代に仲の良かった二人が要る事を理由に、此の学校に決めた。
もしやり直せるなら?と聞かれれば、恐らく此処だろう。
いや、欲を言えば、幾らでも戻りたい物だ。
兎に角、言いたい事は、この、行きたい気持ちも行きたくない気持ちも湧かない学校で、第一志望者達の醜い愚行に、復讐する機会が訪れる物語である。
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