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「先刻、ようやく〈白うさぎ〉がこちらに届きました。此度も見事な容姿でございます」
「そうか。では、あとは神子の誕辰を待つのみだな」
「……本当にあの男を信用してもよろしいのでしょうか」
「お前はそればかりだな。あの男の何がそんなに引っかかるのだ」
「……」
「いいから申してみよ」
「……あの男の立ち居振る舞いを見ていると、ただの傭兵とは思えぬほどに整っています。わたくしどもを欺き、韜晦しているのやもしれません」
「はっ。考え過ぎではないか? 仮にそうであったとしても、我々の歴史に瑕がつくわけではない。我々の邪魔は誰にもできん。国王でさえもな」
「……」
「準備は整った。また、新たな時代が始まるのだ」
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