#114『血と知の恵』

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パカパカと音を立てていたが、草原に踏み込むとその音が消える。 「やっぱ高ぇな。」 「そりゃねぇ。サラブレッドだし。」 「……なぁ。」 「何?」 「俺にキレてもおかしくないのになんでキレないんだよ。俺、キレられる覚悟してたんだけど。」 「なんで逆に怒るの?そんなの理不尽じゃない。」 「…まぁ、それは、なんだ。そうかも…しれねぇけど。」 「むしろ怒られるって思ってたなんて心外──。」 ディクソンはそう言って手綱をぎゅっと引いて、馬の首を叩く。馬は走り出した。先を行かれたと慌ててアードラー達が追うのだった。
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