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海の生き物をマスコット化して売り出されたのが、僕達“ウォーターワールド”シリーズだ。
ピンク色のイルカの姿をした僕、ルカをはじめ。エイの姿をしたまんた(なんか別の魚と混じってない?と僕は常々ツッコミたいのだが)に、ヒトデの姿をしたホッシー、ラッコの姿のララに、アシカの姿のアシアシなど実に個性豊かな仲間が揃っている。若干ネーミングセンスが死んでる気がするが、そこはツッコミを入れてはいけないのだろう。
一時期、僕達は人間の、特に若い女の子の間で大ブームを引き起こしたくらい人気を博していたのだった。
キャラクターグッズの店でウォーターワールドシリーズが扱われなかったことはなく、絵本化もされたし短編アニメも作られた。僕達を扱ったアプリゲームも登場し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったのである。
ところが。
僕達だけでは満足しきれなかったのであろうハニークリーム社が、新しいマスコットキャラクター達を売出し始めてしまったのだ。
その名も“クッキーワールド”。
クッキーと名付けられている通り、お菓子を模したキャラクターたちのシリーズである。クッキー人形の“ショコラ”を主人公とし、ペロペロキャンディやカップケーキなど、様々なお菓子たちをマスコット化して新発売したのだ。
これが意外性があったからなのか、爆発的にヒットしてしまった。
その結果、多くのキャラクターグッズショップの店頭では、ウォーターワールドシリーズが徐々に追いやられていくようになり――次々と、クッキーワールドのキャラクターたちに取って代わられるようになってしまったのである。
これだけならば、マスコットキャラクターの宿命、流行だから仕方ないと割り切ったのかもしれなかった。しかし。
「なんで、ルカが平気な顔をしているのかわからない」
まんたは血走った目で僕に告げた。
「奴等、売れるためのやり方があまりにも汚すぎる!なりふり構わなすぎて、マスコットの風上にもおけない……!マスコットは、子どもたちに夢と希望を与える仕事のはず。あんな奴らに負けるなんて、まんたはどうしても納得がいかない!」
そう。
健全で、子供も楽しめるマスコットとして売り出されたウォーターワールドとは違い、クッキーワールドはある意味非常にダーティなキャラクターとして作り出されたのである。
例えば。
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