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第15話（BL特有シーン・回避可）
二人は夢中で舌を絡め、唾液を吸い合った。
「んっ、んんぅ……っん、んんっ……はあっ！ シド、欲しいよ」
ごくストレートに訴えると、シドは切れ長の目を僅かに細める。
「お前のもんだ、好きにしていい」
嬉しい言葉を貰ってハイファは跪いた。熱く硬く太く成長したシドを掴む。先端に口をつけて割れ目を舌でなぞった。すぐに湯とは違うとろりとした液体が滲みだしてくる。溢れてくる蜜を舌先で何度もすくい取った。存分に愛しい男を味わい、口を開けて咥え込む。
最初から激しく攻め立てた。弱いくびれの部分に舌を巻きつけ、唇で扱き上げる。
「あっ、くっ……ハイファ、はあっ、ああっ！」
いつになくシドの喘ぎが甘く激しい。見上げると端正な顔を少し歪ませていて酷く色っぽかった。腰を突き上げてしまいそうなのを耐えてくれているのが分かる。喉の奥まで突き立てられても構わない、目茶苦茶に口を犯して欲しいくらいだった。
これ以上は無理なところまで深く咥え、思い切り口腔粘膜で扱く。音を立てて溢れる蜜を啜った。
「くっ、う……んなにすると、ハイファ、だめだ！」
「んっ、んっ……んんぅ……っん！」
口の中でシドが己を張り詰めさせる。ただでさえ太いシドが膨れ上がり、口に収まりきらないかと思うほどになった。夢中でハイファは咥え続ける。シドが叫ぶように訴えた。
「だめだ、ハイファ……もう、いく、いっちまう、あうっ！」
身を震わせてシドは幾重にも放った。ハイファの喉にぶつけるように迸らせる。どくどくと溢れた熱く濃いものをハイファは喉を鳴らして飲み込んだ。シドが落ち着くのを待って口を離し、扱いて滲んだものまで舐め取る。
肩で息をしながらシドが見下ろして低く言った。
「すまん、ハイファ」
「何も悪いことなんかしてないでしょ。それより貴方、まだこんなにしてる」
放ってなおシドは太く屹立させたままだった。情欲を湛えた切れ長の目に誘われて立ち上がる。するとシドは濡れた黒髪をハイファの肩に擦りつけた。甘えるような仕草に愛しさが湧き起こる。鎖骨の辺りを吸い上げて自分の証しを穿つ男の耳許で訊いた。
「じゃあ、次はどうしたいの？」
「お前の中に入りたい。俺の形になるくらい突き上げて、思い切り濡らしたい」
「そっか。いいよ、思い切りして」
「ンなに煽って、覚悟してろよ」
頷いたハイファは自ら壁の方を向き両手をついて立つ。肩越しに振り向いて誘うと、シドは自分の右手指を口に含んだ。ハイファの背後に膝をつき後ろを押し広げる。たっぷりの唾液で濡れた指が敏感な色づきに触れ、思わずハイファはビクリと身を揺らした。
構わずつぷりと挿し込まれた指は、するすると侵入してきて深い処を掻く。
「あっふ、シド……最初からそんな、ああん！」
「俺、もう待てそうにねぇんだ……ハイファ」
低く囁くシドの声が酷く官能的に響いてぞくりとした。ハイファを傷つけないよう普段から極端に深爪して整えられた優しい指が、根元を捩るようにして狭い窄まりをほぐしてゆく。
言葉通りにシドは待てないのだろう、駆け引きなしで自分を受け入れる準備をさせていた。
「ハイファ、そんなに動くな。傷つけちまうだろ」
「んっ……だって、貴方の指、すごく気持ちいい――」
勝手に腰が揺らめき前後してしまうのを止められない。その間にも性急に指が増やされて、快感を与えられながらハイファは緩められていく。数指を咥え込んでハイファは酔った。
ふいに指が抜かれる。敏感な場所に熱い吐息が掛かったかと思うと温かなものが侵入してきた。それがシドの舌だと思い至って眩暈のような羞恥に全身を染める。
「はぁん、そんな……シド、だめ、やあ、ん！」
「だめじゃ、ねぇだろ。それとも、っん……気持ちよくねぇか？」
「気持ち、いい……でも、やだ……あぅん！」
ねじ込まれた舌に唾液を送り込まれ、入り口を充分に拡張されたときには、もう喘ぎ疲れて呆然としていた。それでも肩越しに見た切れ長の目の切なさに、そっと頷いてみせる。
力強い片腕で腰を抱かれた。己に片手を添えてシドが後ろにあてがう。
「いいか、入れるぞ。ゆっくり息吐けよ」
「ん……あっ、あっ……ああっ、シド、あうんっ！」
ゆっくりとシドは挿入してくれたが、思わず悲鳴のような高い声を洩らしてしまうのを抑えられない。今まで数え切れないほど受け入れてきたシドだが、馴らし広げられていても太すぎていつも苦しかった。けれどシドのくれる苦しさまでもがハイファの悦びだった。
「すまん。こんなもの入れられて、苦しいよな」
「ううん、いい……すぐに、よくなる、から」
「ああ、すぐによくしてやる。待ってろ」
ずるりとシドは己を引き出し、離れてしまう寸前で腰を突き上げる。ゆっくりと幾度か繰り返すうちにハイファの躰が追いついてきて、クチャクチャと淫らな水音が響きだした。
太い茎に粘液が絡んでしまうと傷つける恐れがなくなって、シドは思い切り腰を突き上げハイファを貫き始める。途端に強烈な快感がハイファを襲った。
「ああん、シド……すごい、いい……太いよ、はうんっ！」
「お前も、メチャメチャいいぜ……ハイファ！」
激しい突き上げで全身を揺らされる。頭の芯が白く灼けるような快感で何も考えられなくなり、ひたすら壁に縋って身を支えた。もうこんな想いをさせてくれるのは、この世で唯一シドだけなのだ。怖いくらいに愛する男の欲望を受け止め続ける。
いつまでもシドを閉じ込めておきたかったが、ふいに疼きが突き上がってきて訴えた。
「もう、僕、だめ……かも――」
「俺も、一緒に、いくからな」
更にシドが腰の突き上げを速く激しくする。ハイファは壁に爪を立てて攻めに堪えた。萎えそうな膝を叱咤して立ち続ける。充血した粘膜でシドの変化を敏感に捉えた。
「シド、早くきて……いく、いっちゃう……はうっ！」
「ハイファ、俺も、あっ……く――」
達したハイファは幾重にも壁に白濁をぶつける。同時に体内の奥深くでシドが弾けさせた。二度目とは思えないほど大量のものでずぶ濡れにされ、満足した途端に膝が崩れて危うくシドの腕に救われる。ゆっくりと座らせて貰った。
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