小林聡子の終わり

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夏の終わり。 8月30日。 私も終わった。 『ごめん。俺、小林のことそんな風に見れない。じゃ……どうか元気で』 高校三年生。最後の夏休み。 清掃登校日が終わった後。 誰も居ない教室。 蒸し暑い教室に蝉の声と緩い風。 そして私と浅野。 そんなシチュエーションを前にして。 舞台は整ったと言うのに。告白には持って来いの最高の舞台でっ!  私は浅野に呆気なく振られてしまった。 呆然とその場に立ち尽くしてしまい、これは夏が見せた幻想か何かと思考を巡らせる。 「えっと……」 でも、よく分からなくて。 ふと見上げた窓の向こう側の青空が、馬鹿みたいに青くて。なんだか妙にすっきりした。 「うん。死の」 私は躊躇わず窓際の席の机に立ち。 窓の下を見つめた。 ここは四階。 下はアスファルト。 せめて勢いよく死んでやろうかと思って、時をかける少女(細田守版)のヒロインよろしく。 「逝っけぇ──!」 教室の窓から青空に飛び出した。
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