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準備は二年を掛け周到に、且つ、トップシークレットで進められた。
研究員は全員、監視下に置かれた。
ニ年でウイルスとワクチンの両方を開発するというのはそもそも現実的ではない。
ウイルスの方なら何とかなるが、そのワクチンとなるとそうはいかない。
ワクチン開発には膨大な臨床試験データが必要であり、通常十年程度の年月が必要となる。
だが、英国本社は割り切っていた。
これまでのやり方と同様にやれば良い。
それは即ち、安全性の確認できないワクチンを売り、摂取後のデータを回収して改良を重ねるという手法だ。
つまりこのワクチンを接種した人を使って人体実験をする。
これまでは地域限定で行ってきたので、これが人体実験であると言われても、握りつぶす事が出来たしそれが出来る国を選んで実施してきたが、今回は全ての国でこれを実施する。
この点は十分に上手くやらなければならない。
法的には勿論、風評的にも、充分に根回しをしておく必要があった。
各国代表の腕の見せ所だった。
高木はニ年の時間をかけてマスコミを押さえ、官僚に手を回し、政治家…最も力を持つ政治家も丸め込んできた。十分に上手くできたと思っている。
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