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6 結婚式一週間前
日々は恙無く過ぎていく。
私自身は公爵家のメイドとして信頼に値する仕事ぶりだとメイド長から褒められるようになった。
伯爵令嬢なのに、ちょっとおかしいかもしれないが元々令嬢としてのスキルよりメイドとしてのスキルの方が高かったのだから当たり前かもしれない。
庭師の若者はハリーと言って、とても良くしてくれた。
花を貰いに行くたび心がウキウキして、メイド仲間からキレイになったと言われるようになり、
「恋っていいわよねえ~」
という一言で自分の気持ちを自覚してしまい挙動不審になり、皆にバレてしまった。
『俺も好きだ』
その後直ぐにお節介なメイド仲間に唆された形で彼に告白された。
嬉しくて首を縦にコクコクとすることしか出来なかった。
・・・あれ? 1週間後に私結婚するんじゃなかったっけ?
「1週間後に結婚式だけど、気にしなくて良いからね」
馬車で迎えに来たツヴァイさんがニヤニヤ笑いながら話しかけてきた。
「公爵家に結婚式の後、そのまま君はメイドとして移り住めばいいだけ。部屋は相部屋だけど手配は済んでるからね」
この人、どうして何もかも知ってるんだろう・・・ 不思議だ。
業務報告のように今日あったことを全て彼に話すと
「へえ~、庭師の兄ちゃんとお付き合いしちゃいなよ」
「でも結婚式が・・・」
「あ、ソレは俺が代わりに出るから大丈夫」
「えぇ!?」
彼はヒラヒラと手を振って、
「心配ないわよ」
凄く女性っぽい仕草で、そう言いながら笑った。
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