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7 ベッドの下
結婚式の日の公爵邸は意外に静かで、皆通常業務をこなしていた。
公爵様と奥様が帰ってくるから玄関でお出迎えの準備をと言われて、物凄い複雑な気分だったが皆の手前黙ってメイド長の言う通りに整列した。
白い馬車から公爵様が降りてきて、その後ろからフットマンの手を借りてウェディングドレス姿の女性が降りてきた。
公爵様を初めて見た。
ハンサムだとは思うけど中年のお兄さん? だな、と思った。
後ろに続く花嫁衣装の女性は長いベールで顔が隠れてるから分からないけど・・・ 多分ツヴァイさんなんだろうなと、つい遠い目になった。
どう見たってスレンダーな女性にしか見えないし、凄く優雅に私に向かい手を振ってる。
思わず頭を下げちゃった。
メイド長からそのままついて行くように言われて、奥様の部屋について行く。
「ありがとうございます。お飾りの妻ですのでお気になさらず」
そうツヴァイさんに言われメイド長は追い払われた・・・
「はー、終わった終わった。今後マリアちゃんはさぁ、メイドの仕事やって〜、彼氏とイチャイチャしてればいいだけよ。プロポーズされたら迷わず受けて隣国に行っちゃいな」
ベールを外しながらニヤニヤ笑われて顔が熱くなった。
「食事は3度、この部屋に運んでベッドの下にどんどん隠すのよ」
「え?」
「そうだね、スープ以外は全部。偶に飲み物だけは残してもいい。始末に困るから。マリアちゃんが飲んでもいいけど、毒入ってたら嫌でしょ?」
ゾッとした。
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