中村大和sideー謎が謎を呼ぶ事件ー

10/20
336人が本棚に入れています
本棚に追加
/710ページ
「玲ちゃん、1つ聞いて良い?」 『どうぞ』と答えた玲ちゃんに『烏って誰?』と聞くと、玲ちゃんは煌弥を指をさして『黒の烏』と答えた。 その言葉に、俺も拓海も涼も『ハハハハハッ!』と声を出して笑った。 黒しか着ない煌弥。 髪は漆黒、瞳だって漆黒。 醸し出すオーラも漆黒。 まさに玲ちゃんが言う様に、煌弥は黒の烏だと思った。 笑った後に『ピッタリじゃん』と言った涼。 煌弥は、ほんの僅か口角を上げている。 多分、気にいったのだろう。 「アヤナミの人間達は、全員、頭脳がずば抜けて優れいる。この間、アヤナミの人間達が現れたけど、能面をつけていたはず」 そう話した玲ちゃんの言葉に俺は『確かに』と答えた。 あの時、5人居たが、5人共同じ能面をつけていた。 「それに拳銃を発砲したみたいだけど、アヤナミの人間達が撃った弾は、標的には命中していないはず」 それに『あぁ』と答えたのは煌弥。 煌弥の近くで、車の中で待機していた俺は、発砲音を聞いた。 運転手も、それに気づいて煌弥の側に車をつけたんだ。 その時は、煌弥は無傷だった。 それに玲ちゃんだって無傷だった。 なら、肩に担がれていた玲ちゃんの洞察力は、かなり高いって事になる。
/710ページ

最初のコメントを投稿しよう!