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「アヤナミの人間達は全員で15名。現在は、会社や銀行や金融会社に勤めている。お互いの連絡手段は、全てインターネット。でも、やり取りが終わったら、綺麗に削除しているから、痕跡は残っていない」
「それなら、黒の蝶って奴も、そのアヤナミの人間って事か?」
拓海がそう問い掛けると『違う』とハッキリ答えた玲ちゃん。
俺は、玲ちゃんが、ハッキリと答えた事を疑問に思い問い掛けた。
「違うって、どうして玲ちゃんが分かるの?」
すると玲ちゃんは、俺達に背を向けて、着ているワイシャツを、肩から腰までずり下げた。
俺達が座るソファと、煌弥が座るデスクチェアは、それなりに距離がある。
玲ちゃんの胸は見えないけれど、背中に翼を広げた烏と右肩に蝶々が見えた。
それも、筋彫りだけの刺青。
今まで刺青を入れてる者を煌弥の実家で見た事があるけど、今まで見てきたものより綺麗だと思った。
「右肩にある黒い蝶々の下には、アヤナミの人間達がつけた焼印があった。焼印は、名前みたいなもの。私の焼印は893」
玲ちゃんの言葉を聞いて『ブッハッ!』と吹き出したのは涼。
拓海も俺も『ハハハハハッ』と声を出して笑った。
「893って言えばヤクザじゃん。まさに煌弥の事だから笑える。ハハハハハッ」
そう言って涼はまた笑った。
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