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「玲ちゃんから話しを聞いて、俺達は今まで何を見てたんだと思った。まだまだ、俺達が知らない事があるんだな」
エレベーターに乗り込んですぐに言ったのは、俺。
「黒の蝶が煌蓮に居る。これから分からねぇ事を教えてもらうしかねぇだろ」
拓海の言葉に『そうだな』と返事をした涼。
前にスクレのママが言っていた言葉の意味が、やっと分かった。
『……目に見えるものだけが全てじゃないわ』
確かに玲ちゃんが言うアヤナミの人間達は目には見えない。
そして、玲ちゃんの過去も目に見えるものじゃない。
煌蓮と言う組織を煌弥が創ってから、俺達は目に見えるものだけを潰してきた。
だけど、これからは違う。
玲ちゃんが敵と見做す人間達は、俺達だけでは分からない。
だけど玲ちゃんが煌弥の傍に居る以上、俺達は目に見えないものも潰していかないと、この街を守ったとは言えない。
もう1度仕切り直してやっていかないと足元を掬われる。
俺達はまだまだ成長し、もっと力をつけていく必要がある。
「涼、拓海、これからの方が忙しくなるぞ」
エレベーターを降りて言った言葉に『任せろ』と涼と拓海が答えた。
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