中村大和sideー黒の蝶ー

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「夜中の1時に繁華街に現れている」 そう言うと、涼と拓海が立ち上がり、俺の後ろに来て、パソコンの画面を見た。 俺は、メンツ達の全員のスマートフォンに、防犯カメラに映っている場所を転送する。 『靴を履かず靴下だけとは、この女、普通の女じゃねぇな』と言ったのは、拓海で、俺は答える。 「シーツを破いて、上手くロープを作っていた。それに居なくなった時間を特定出来ない様に、風呂の湯を出しっぱなしにしていた。しかも、換気扇を回してだ」 「ボスが此処に入れたからには、何かを感じたからだと思ってはいたが、普通の女じゃねぇのが分かったからかもな。だから外から鍵をかける様にしたんだろ?」 確かに外から鍵をかけろ。と言ったのは、煌弥だ。 まさか……逃げるって分かっていたからなのか? 「大和、そのロープって言うのは上か?」 拓海の問い掛けに『そうだ』と答えると、拓海はリビングから出て行った。
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