第二話  いざ、十五世紀にGO・・♥🏹

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 「マーリンよ、フランスの黒歴史を探れ。フランス王と枢機卿と言う特権人種に、怨み骨髄の人物を探し出すんだ」  ソレこそが、枢機卿コンビを壊滅させる奥の手になると見抜くあたり。さすがは伝説のアーサー王だ。  そこに、日本医師コンビが参入。  「探すまでもないね」、夏川が呟いた。  「テンプル騎士団だよ。フランス王のフィリップ四世にはめられて、騎士団は恐ろしい拷問と処刑の果てに壊滅したんだ」  しかも多くのテンプル騎士団の騎士が、異端の汚名を着せられて火刑に処されている。 「最後の総長だったジャック・ド・モレーはな、火刑に処される寸前まで無実を叫び続けたそうだ」  「しかもだな。彼は火刑に処された時、カペー朝のフィリップ四世とローマ教皇だったクレメンス五世に、恐ろしい呪いをかけたそうだ」  そこで、ついでに。  残酷な拷問と処刑で壊滅したテンプル騎士団の呪いが籠った日として、今でも騎士たちが逮捕された【十三日の金曜日】は不吉な日だと、世界中で言われている・・てな、おまけ知識までも夏川が補足した。  「僕も聞いた事があるゾ」  「確かその呪いの所為で、フィリップ四世は狩りの最中に倒れて死んだはずだ。クレメンス五世も、モレー伯の処刑からそれほど経たずに死んでるな」  更に、たたみかける。  「しかもだぞ。クレメンス五世の葬式をする教会に雷が落ちて、遺体が黒焦げになったそうだよ」、さすがはオカルト話に目がない館林だ。  テンプル騎士団の二十三代総長だったジャック・ド・モレーが火刑になった壮絶な最期の時、テンプル騎士団の財産を狙って騎士団を壊滅に追い込んだカペー朝に呪いをかけ、滅亡に導いたと云う話は、オカルト愛好家の間では有名だ。  カペー朝はその後、三代の王が早死にして滅亡。分家のヴァロア王朝が跡を継ぐが、フィリップ四世の娘がイギリスに嫁いで生まれたエドワード二世が、カペー朝の相続を主張してフランスに侵攻。  ソレがシャルル四世の死後に勃発した、(エドワード黒太子やジャンヌ・ダルクが活躍した)あの百年戦争へとつながっていくのである。  「ソレだッ」  アーサー王と魔術師マーリンが、時空の扉を乱暴に押しかけると、ドラゴンの卵の殻から作ったカプセルを大量にその中に押し込んだ。  十四世紀初頭のフランスへと、意気揚々とテンプル騎士団の騎士の捕縛に飛び出していったのである。  「おおっ!」  エドワード黒太子が期待に燃える感激の叫び。それを受けてランカスター家の城に、時ならぬ勝どきの声が広がった。
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