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2.極刑剤
誰もが簡単に犯罪に手を染める世の中になっていた…
その一つが詐欺であり老人の金を目当てに詐欺師は息子や孫に扮して巧みな話術で金を奪い取る…
詐欺師には受け子と出し子の役割分担が出来ていて老人は詐欺師を息子や孫だと思いこみ通帳などを渡す…
まあ、詐欺は金を取られるだけで命を奪われる事は無いが…?
次は強盗で…
昨今生々しい強盗が多発しているいわゆる犯罪を実施させる闇バイトである。
でも不思議だと思うのはなぜそんなバイトに手を染めるのか?
闇バイトの強盗を行えば必ず捕まる…
逮捕の確率は統計的に99.9%…
闇バイトの強盗を行なう者の成功率はなんと0.1%であり、なぜこんなにリスクが高い強盗を行なうのか?
そんな確率でも金のため借金苦から切羽詰まり犯罪を犯すのか?
悲惨なのは資産を狙い個人宅に入り込む強盗で高価な物品を盗み、挙げ句の果て家主を殺害する…
金のために簡単に人を殺す…
その強盗を指示する者、そして強盗を実行する者…
人としてあるまじき行為である。
あと…
金のためでは無く自分自身のコンプレックス?快楽?何が何だか分からないが無差別殺人が増えている。
ある者は自分を受け入れてくれない世間へのコンプレックスなどから自暴自棄し人を無差別に殺す。
その場所は電車であり、街であり…近所でもある…
普通に暮らす我々はいつこの様な自暴自棄した異常者に遭遇するか予想も付かない…
だが、その予想も付かない事に遭遇し命を落とした人の遺族はやり場の無い怒りと悲しみを常に背負い生きていくのだ。
この様な背景から留置所に収容される犯罪者は年々増え…
留置所の増設や犯罪者の生活を維持する食費や光熱費及び警察官の管理費など受刑者1人あたり年間で290万円が必要であり、この様な金は全て国民からの税金で捻出され犯罪者へ掛かる金額は嵩む一方であった。
そこで近藤製薬は次なる「終焉剤」として区分2.「極刑剤」を開発し世に送り出した。
近藤製薬の「理念」は「くすり」を通じて「皆んなが人間らしく生きること」
「モットー」は「自然を大切にし弱者を救うこと」で「自然の大切」は区分1.「緑化剤」そして「弱者を救う」は区分2.「極刑剤」となっていた。
さらに近藤製薬のコンセプトとして「犯罪を凶悪者・異常者から受けた被害者の為の救済」でもあった。
近藤製薬の「終焉剤」区分2.「極刑剤」開発の背景は殺人事件の犠牲となった被害者家族からの悲痛な願いから展開した「くすり」であった。
そして近藤製薬は「終焉剤」区分2.「極刑剤」の認可を国に申請した。
申請内容は…
1.被害者家族が味わった悲痛を加害者にも与え「極刑剤」「くすり」によって被害者が受けた苦しみを味わうこと。
2.弱者救済から今後、犯罪者とかの殺人の無期懲役の廃止、死刑推進…死刑を推進するために1.項を重く受け止め「極刑剤」を犯罪者に服用させる。
3.2.項により犯罪者の維持が軽減され国民の税金負担が軽減される。
2.項の補足として
「極刑剤」は重罪を起こし死刑囚となるものが服用する。
現在この国の死刑は首吊りによる絞首刑と電気ショックによる電気椅子がある。
しかし、首吊りにしろ電気椅子にしろ死刑囚の苦しみは一瞬である。
そこで被害者家族から薬品会社に提案された「くすり」による死刑執行であり被害者及び被害者家族の苦しみを死刑囚は身をもって知ることであった。
それは、死刑囚が「くすり」「極刑剤」を服用することから自分が行った殺人の後悔の念と自分が行った悍まし行為を身をもって知ることであった。
そして「極刑剤」によって死刑囚は1年間もがき苦しみ殺人と言う罪の後悔を感じそして死んで行くのであった。
「極刑剤」の幻覚は「覚醒剤」と同じであった。
「覚醒剤」の幻覚は自分を「ハイ」にするが「極刑剤」は「ロー」にし自虐であり自分は感情の無い肉の塊である事から入り…
寝ても醒めても体を痛めつけられ…
ある者からはハンマーで身体全体を殴りつけられる…
そしてある者からはナイフで身体をめった刺しにされる。
その痛みは計り知れず思わず…
「殺してくれ」と死刑囚は嘆願していた。
しかし、その痛みは「極刑剤」による幻覚であり死刑囚にはこの様な幻覚が約1年続き死刑施行が完了するのであった。
吉田 昇 36歳 会社員
昇は5人を殺害して死刑囚となった。
昇が殺害した5人は男1人、女2人そして子供2人であった。
昇の性格は自己中心的で他者への愛情や思いやりは無く、行動的ではあるが無責任であった。
性格から彼はサイコパスであり他人を尊重する気持ちは無く自分が行った行動であっても失敗すればそれは全て他人のせいであり昇は自愛が全てであった。
常に昇はどんな理由があろうと自分は正しいと考えていた。
それは人殺しをしても…
昇の仕事は部品組立であり精度が要求される部品組立で…
そこで彼は製造部組立係のリーダー及び指導員であった。
昇はリーダー・指導員として部下を育てる立場であったが…
彼は部下を人として接する事が無く「物」として接していた…
それは指導に於いて彼の観点から出来て当たり前…
そして彼が教えた事が一度でも出来ないと…
昇は大声を上げ怒鳴り…
その罵声は…
「このボケが!」
「お前は箸にも棒にも使えないクズで「ボロ切れ紙」と一緒だわ!」
この時は部下をボロ切れ紙とし…
ある時は機能しないオンボロ自転車ともしていた。
この様な指導から入社した部下はすぐ辞める者…
そして昇が部下である1人の若者をパワハラによって殺害したのであった。
殺害は昇のパワハラによって追い詰められた部下が深夜職場に昇を呼び出し首吊り自殺を試みた…
天井にかけたロープそして椅子に乗った部下…
すると呼び出された昇はその行為を止める事無く椅子を蹴飛ばし部下の自殺のアシストをしたのであった。
この昇の行為は警察の事情聴取に於いて十分な証拠が無く不起訴となった…
そして昇は職を変え生命保険会社の外交員となりお客の勧誘などの仕事をする事になった。
そこで出会った同僚の女性である雅代に一目惚れしたのであった。
昇は28歳で前職で知り合った女性と結婚し長男、長女を授かっていたがサイコパスである昇は家庭より一目惚れした雅代が欲しいと告白すると…
そんな昇の行為に危険を感じた雅代は昇を避け会社を辞め他県に逃走した。
そして昇は雅代と暮らす事を考え寝ている妻と子供の首を締め殺害したのであった。
そのあと逃走した雅代を突き止めた昇は昇の言う事を聞かない雅代を素手で殴打しサバイバルナイフで滅多刺しにして殺害したのであった。
そして昇は裁判で発した言葉が…
「俺は神であり俺の言うことを聞かなかった奴らは死んで当然!」
昇は被害者家族などに詫びる事は無かった。
そして昇に下された判決は死刑であった。
昇は「極刑剤」によって死刑を受ける事になり被害者家族関係者から昇が「極刑剤」によって1年間恐怖と苦痛を味わい死んで行く処刑計画を裁判長に提出し受理されたのであった。
裁判長が認めた「極刑剤」によって死刑囚である昇の処刑される計画は…
昇が殺めた人達と同じ苦しみを味わう事から…
はじめに「極刑剤」を昇に服用させるため飲料水と共に「極刑剤」を強制服用させ…
服用後日から幻覚が現れる…
幻覚はまず首吊り自殺をアシストしたことそして妻及び我が子を絞殺した事から…
魔界か?地獄か?閻魔大王の様な風貌である巨人が現れ昇の首を締め上げる…
そして巨人の爪が昇の喉に食い込む…
「おい、待ってくれ…」
「俺がお前に何をしたんだ?」
『お前はお前のした事をこれから行う…』
「頼む見逃してくれ!」
『ふん…』
昇は閻魔大王の様な風貌である巨人に嘆願したが…
「ギ…ギャァ…」
昇は大声を出して悶絶していた。
この閻魔大王の風貌である巨人の首絞め行為は毎日行われ1週間続き…
その後の1週間は何が起きていたのか昇に考えさせ幻想による恐怖を植え付ける…
そしてその後の1週間から閻魔大王の風貌である巨人の首絞め行為が再度行われその行為が繰り返し4ヵ月続いた。
そして次に雅代を殺害した行為の幻覚が現れた…
雅代は昇の殴打後サバイバルナイフで滅多刺しにされ殺害された事から…
現れたキャラクターは世紀末に現れる例えると北斗の拳に出てくる悪人?で右手に釘バット…左手にサバイバルサイフを持っていた。
するとその悪人キャラクターが…
『お前は最低な奴だなぁ?』
『罪の無い女性を意味なく殺して…』
悪人キャラクターは風貌だけで正義を愛する戦士であった。
『お前相当な外道だなぁ…』
『お前が女性に行った行為を存分に…』
「ビッシ…ビッシ…」
「アゥ…」
釘バットが昇の胴体にめり込み…
そして…
「グッサ…グッサ…クッサ…」
「グッサ…グッサ…クッサ…」
「グッサ…グッサ…クッサ…」
「グッサ…グッサ…クッサ…」
「ギャァ…痛いよやめてくれ…」
『何言ってる…お前がやった事だぞ!』
悪人キャラクターが昇に一喝した。
釘バットとサバイバルナイフの行為も首絞め行為と同じ周期で進められ丁度1年が過ぎた頃…
昇の精神が崩壊し心臓が停止するのであった。
この様に「極刑剤」は被害者家族の要望によって死刑内容を受け入れられる錠剤である。
近藤製薬の画期的な死刑執行剤となっていた。
そして、更なる犯罪抑制剤としてこの「終焉剤」区分2.「極刑剤」の進化剤が開発されていた。
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