そうだ、〇〇へ行こう

顔を向けた先にある１枚のチラシ。さっき放り投げた折込の一部だろうが、予算削減なのか今どき見ないわら半紙に、その紙の質に全く似つかわしくないツアーの案内が見て取れる。
『そうだ！●岸へ行こう！！』と大きめのタイトルに、海を想像させるイラスト。なぜカラーにしなかったのかと素人でもわかる安っぽい広告に、なぜか目が離せなかった。こんな広告にすらパッとしない自分を重ねて、変な親近感が湧いたのだろうか。

水分補給と言う名のビールを開け、そのチラシをざっと見直す。ツアーの日付は今度の土曜日。さらに費用が昼・夕食(ドリンク付き)で3,000円と格安である。どうせ予定はない。誰かと行く気も無い。知らない人とのツアーはちょっと気が引けたが、いつもの仕事上のハラスに比べれば、幾分もマシだろう。細かい内容はさして確認せず、すぐさま予約した。