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骨ばった長い指が私の泥濘に一本、二本と沈むたびに背中が反り、目尻を熱い涙が零れ落ちる。
同時に敏感な部分を執拗に擦り上げられ、声にならない悲鳴が喉奥から漏れた。
部屋中に響く水音とどんどん激しさを増す愛撫に目の前が真っ白になって、パンとはじけた。
体をシーツに投げ出し、しきりに熱い息を吐く私の涙を舌で掬い上げた彼の目には情炎の炎が煌めいていた。
「本気で可愛いな……でもまだだ」
そう言って、再びキスを繰り返し、私の膝裏を抱え上げた。
「逢花の全部をもらう」
きっぱり言い切り、彼を待つ場所へ自身をあてがう。
熱く張り詰めた感触にお腹の奥の疼きが大きくなっていく。
ゆっくりと侵入する楔に、呼吸が止まりそうだ。
額に汗を滲ませて荒く甘い息を吐く姿に胸が締めつけられる。
私、今、抱かれている……。
胸の奥からこみ上げる、言葉にならない切なさに胸がいっぱいになり、涙が滲んだ瞬間、彼が腰を大きく揺らした。
緩急つけた激しい動きに、感情と思考がまとまらず意味のない言葉が口から漏れた。
「逢花……」
腰を大きく回し何度も深く奥を抉られ、繋がり合った場所を指先でいたずらに触れられて、ひゅっと息を呑んだ。
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