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「俺を見ろっ……」
無意識に閉じてしまっていた重い瞼を必死に持ち上げると、眼前に愛欲に濡れた眼差しで私を貫く彼がいた。
汗ばむお互いの体から発する熱とほんの少し苦しそうな葵さんの表情にお腹の奥が熱くなる。
思わず逞しい背中に腕を回してしがみつくと、荒々しく口づけられた。
唇を擦り合わせる間も一切視線を外さず、漏れ出る凄絶な色香にむせ返りそうになる。
キスを交わしている間ずっと、腰を揺さぶられ、頭の芯が甘くしびれていく。
ギュッとつま先が丸まって、力なくシーツを引っかく私の指先を葵さんの骨ばった指が捉える。
唇を解放し、指を絡めて手の甲に口づけ、指先を甘噛みする。
予想外の刺激に反応する私に見せつけるように指先に順にキスをして、自身の頬にあてる。
汗ばんだ熱い頬の上で、大切そうに手を握られて胸が苦しくなった。
無意識にもう片方の手を伸ばすと、彼が目を見開きふわりと相好を崩す。
「お前は違うと信じていいか……?」
彼が零した言葉の意味を理解する間もなく、指がほどかれ、密着度が高まり律動が一気に激しくなって、息継ぎさえままならなくなる。
「やっ……待っ……て」
願いを口にしながらも、意識がゆっくり薄れていく。
「……ここに、ずっといろよ」
瞼が閉じきる前、私を強く抱きしめながら切なさと情欲を宿した彼の目を見た気がした。
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