(一)

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 そんな、二回り近い二十三歳も年の離れた中年オヤジと、俺の持ち主である三川美幸が同居を初めてもうそろそろ二ヶ月になる。  一応二人はまだ、結婚していない。あくまでも同棲ということらしい。美幸はいつになく気合いを入れて、このオヤジとその母親の世話をしている。彼女の性格からしてそんなの本当は絶対にやりたくないのだろうけど、この男を逃すわけにはいかないと必死になっている。  玄関ドアのインターホンの音が鳴ったのはそんな「幸せ」な暮らしをしている最中だった。 (続く)
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