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これはアトラクションの一種かもしれない。
わたしは起き上がった。
「起きたぞ爺」
「さようでござりますなぁ」
おじいさんの身長は、わたしより低い。
その割にひげが長く、床にくっついていた。
「ここどこですか?
こんなアトラクション、パンフレットにありましたっけ」
そう確か、遊園地の門をくぐったとたん、わたしは激しいめまいに襲われたのだ。
そこからの記憶がない。
お尻の下の、ひやりとした台座をなぞる。
ピカピカした床は立派な一枚岩だ。
最近のテーマパークは造りが凝ってるなぁ。
*
次に現れたのは、緑色の髪をした男だった。
メガネをかけた、生真面目そうな人物だ。
歳は20代半ばくらいかな。
わたしは暖炉のある部屋の、一人掛けソファに座らされていた。
メガネは恭しく跪き、「失礼いたします」と断ってわたしの右手をとる。
お嬢様設定なのかな。
ちょこっと気分がいい。
しかしメガネは突如、顔色を変えた。
「大変です王子殿下。
この娘、『雪』を持っていません!」
ゆき?
あの空から降ってくる、雪のこと?
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