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「まことか。きちんと調べたのか!」
「はい。殿下もご覧ください」
キラ男が金髪をサラサラさせつつ、覗きこんでくる。
そして呻き声をあげた。
「なんということだ。
よもや失敗したというのか。
ウェインよ、召喚主を呼んでくるのだ!」
緑髪メガネは「はっ」と一礼して、部屋から出ていく。
代わってさっきのおじいさんが近づいてきた。
深いシワに囲まれた、灰色の目だ。
「ふむ。いままでこのような前例はなかったのだが。
おぬしはいった何者かね?」
「ただの女子大生ですけど」
メガネが戻ってきた。
後ろに初めて見る男がいる。
赤い髪で、目つきが鋭い。
鋭いをとおりこして、極悪だ。
「見せてみろ」
赤髪に、乱暴な素振りで手首を引っぱられた。
「ちょっと痛いんだけど」
「『雪陰』どころか術力のカケラもねえな」
赤髪は忌々しげに舌打ちする。
そうしたいのはコッチだと思いつつ、わたしは改めて彼らを見渡した。
よくここまでイケメンをそろえたな。
どこかのモデル事務所からひっぱってたんだろうけど、すごい演技力だ。
あの髪、染めてるんだろうか。
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