結人と雅美くん

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「いってらっしゃい」 雅美は精一杯明るくそう言った。 「行ってきます雅美」 結人は名残惜しそうに雅美の体を離す。 「あっ、そうだ俺がいない間、雅美俺の部屋で過ごして」 「えっつ?」 「よく眠れるはずだから」 そう言って結人はニッコリと笑った。 「LIMEするからちゃんと返事するようにじゃあね」 「はい。判りました。いってらっしゃい」 結人は雅美に背を向けると仕事へと出掛けていった。 取り残された雅美は結人の言いつけ通り結人の部屋へと足を運ぶ。 入った瞬間結人に抱きしめられている感覚に陥った。 結人の爽やかな香水の香り。 あぁ。。 結人の言葉の意味がわかった気がした。 傍にいるよ。 そう結人が囁いているかのような感じがする。 部屋自体が結人みたいだ。 雅美はまだ気だるさが残る体をベッドに預けた。 そして結人の匂いに包まれ雅美はすぐに眠りに落ちていった。
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